カテゴリー別アーカイブ: 日記

富商のよもやま話~6~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~解体工法とコスト最適化~

 

木造・鉄骨・RC(鉄筋コンクリート)……構造が違えば、工法・安全管理・騒音粉塵対策・コスト配分まで変わります。構造別の“勘所”を押さえて、ムダなく、安全に、賢く解体を進めましょう。✨


1|木造解体:スピードと分別が鍵

  • 工法:手ばらし+小型重機。先に内装・屋根材・サッシを分別

  • ポイント散水で粉塵抑制、隣家保護の養生を厚めに

  • コスト最適化:材ごとの分別徹底で処分費を抑制。再資源化率UP

  • よくある追加地中の基礎・瓦礫、古い浄化槽や井戸

プロTIP:狭小地はミニユンボ+小運搬。搬出動線を事前に歩いて設計‍♂️


2|鉄骨解体:火気管理と吊り切断の安全性

  • 工法:重機でのはつり+ガス切断/高所ボルト外し

  • ポイント火花養生・消火器常備・火気作業許可、鉄骨の転倒防止に玉掛け

  • コスト最適化:鉄のスクラップ売却を見積りに反映→実質コスト圧縮

  • よくある追加屋根材の石綿含有有無で手順・費用が変動

プロTIP:梁の解体順序で作業効率が激変。倒れ方向を読んで計画


3|RC解体:粉塵・振動をいかに抑えるか

  • 工法:ブレーカ・圧砕機・ワイヤーソー等。静的解体を併用して振動低減

  • ポイント防音パネル・散水・振動測定、近隣説明は事前+中間+完了の3回が安心

  • コスト最適化基礎と地中梁の数量把握で追加回避。発生土の処理先を早期確保

  • よくある追加コンクリ中の異物(鉄片・瓦礫)で処分単価が変動

プロTIP:道路幅員が狭い場合、夜間の搬出分散中間ヤード活用で交通影響を抑制


4|共通の安全・環境マネジメント

  • KY(危険予知)&TBM:毎朝の指差呼称でリスク共有

  • 粉塵対策:散水・薬剤の適切使用、作業区画の封じ込め

  • 騒音・振動:計測&記録、作業時間帯の配慮

  • 産廃管理マニフェストで発生・運搬・処分をトレーサブルに

  • 石綿(アスベスト):事前調査→区分に応じた隔離・負圧・適正排出

  • 交通安全:誘導員配置、見通し改善の仮設計画


5|予算を守るための“3つの見積り設計”

  1. 成果物明記:整地仕様、砕石厚、境界復旧の仕上がり基準を文章化

  2. 不確定費の条件:地中障害・追加搬入出・夜間対応の単価表を事前合意

  3. 付帯工事の棚卸し:樹木・塀・物置・井戸・浄化槽・外構、撤去範囲の図示

交渉術:仮設・養生・誘導は“削りにくい必須コスト”。短縮は工程最適化で狙うのが正解。


6|解体後の価値づくり:更地からの第一歩

  • 地盤・排水:転圧・勾配で水はけ改善、湧水の有無を確認

  • 暫定活用月極駐車場・資材置き場・貸地など、収益化の選択肢

  • 補助制度の確認:自治体の空き家対策や環境関連の支援がある場合も

  • 次工程への橋渡し:測量・境界標の復旧、建築計画との整合


7|現地調査のときに撮るべき写真リスト ✅

  • 接道・電線・電柱位置

  • 隣家との離隔・境界構造物

  • 屋根・外壁材(材質確認用)

  • 内部建材(天井・壁・床材)

  • 基礎の状況・外構まわり


構造別の“勘所”を押さえ、安全・環境・コストのバランスを最適化することが、満足度の高い解体につながります。
「自分の物件はどの工法が向いている?」という方は、無料の現地調査&プラン提案をご利用ください。最短でその場のご説明も可能です。️

 

富商のよもやま話~5~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~流れ・費用・近隣対応まで~

「老朽化が進んで危ない気がする」「固定資産税や維持費が重い」—そんな空き家のお悩みを、安全・適正・円滑に解決するための実践ガイドです。現地調査からお引き渡し、滅失登記までの全体像を、初めての方にもわかりやすく解説します。✨


1|まずは現地調査&目的の整理

  • 現地確認:敷地境界・接道状況・電線・隣家との離隔、樹木やブロック塀の状態をチェック

  • 解体の目的:売却・駐車場化・新築用地・相続整理など、**“解体後の姿”**を明確に

  • 書類の確認:土地・建物登記、境界確定の有無、古い図面や増築履歴があればベスト

ワンポイント:目的が定まると、必要な整地レベル(砂利敷き・更地・駐車場仕様)や工期が確定し、ムダな費用を抑えられます。


2|法令・手続きの下準備 ‍⚖️

  • 各種届出:解体に関わる自治体への手続き、近隣への事前周知

  • 石綿(アスベスト)事前調査:対象建材の有無を専門家が確認し、必要に応じて報告

  • ライフライン停止:電気・ガス・水道・電話・ケーブル類の停止・撤去依頼

  • 道路使用・占用:重機やトラックの出入りで歩道・車道を使う場合の申請

安全第一:足場・養生計画(防音・防塵シート)と交通誘導の配置は近隣配慮の要。計画段階で共有します。


3|見積りの“見るべきポイント”

  • 内訳の透明性:解体工事費、廃棄物運搬・処分費、付帯工事(樹木・ブロック・井戸・地中埋設物など)

  • 仮設・養生費:足場、養生シート、散水、道路養生板、誘導員の有無

  • 整地仕様:仕上がり(整地のみ/砕石敷き/転圧)を明記

  • 追加費用の条件地中障害物(コンクリ・浄化槽・瓦礫等)発見時の取り扱い

失敗回避TIP:坪単価だけで比較せず、マニフェスト(産廃管理)対応近隣対策まで含めて判断を。


4|近隣トラブルを防ぐ“3つの先手”

  1. 周知:工期・作業時間・担当者連絡先を事前配布

  2. 騒音・粉塵対策:散水・低騒音機械・作業時間帯の配慮

  3. 安全動線:搬入出ルートの明確化、誘導員で歩行者優先


5|分別解体〜搬出:現場の進み方 ️

  1. 内部撤去(内装材・建具・設備類の分別)

  2. 重機解体(上屋→基礎の順で安全に)

  3. 廃棄物の分別搬出(木くず・がれき・金属・プラ等)

  4. 基礎撤去・整地(転圧・排水勾配の確認)

エコの視点:木材・金属は再資源化へ。適正処理で環境負荷を低減します。


6|完了後の手続き:滅失登記まで

  • 完了写真・帳票の共有(マニフェスト控、作業報告)

  • 土地の引き渡し(整地状態の確認)

  • 建物滅失登記:原則、解体から1か月以内を目安に申請


7|見積り前のチェックリスト ✅

  • 解体後の活用目的が決まっている

  • 付帯物(樹木・塀・物置・井戸等)の範囲を伝えた

  • ライフライン停止手配の段取りを確認

  • 近隣説明の方法と担当を決めた

  • 追加費用が発生する条件を理解した


空き家解体は、準備8割・施工2割。目的と範囲を固め、法令遵守と近隣配慮を徹底すれば、安心して次の一歩へ進めます。
無料現地調査オンライン見積りも承ります。まずはお気軽にご相談ください。✉️

 

 

富商のよもやま話~4~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~経済的役割~

解体工事――多くの人にとっては「古い建物を壊すだけの仕事」というイメージがあるかもしれません。けれども実際には、解体工事は都市の再開発、資源循環、地域雇用、建設産業全体の健全な流れにおいて欠かせない経済活動の一部です。

解体工事が果たす経済的な役割について、さまざまな視点から深く掘り下げ、私たちの社会にどのような価値を提供しているのかを明らかにしていきます。


1. 建設サイクルの起点としての役割

経済活動の中で建設業は大きなシェアを占めます。その中でも、解体工事は新築や再開発の第一歩となる“始まりの仕事”として重要な役割を果たします。

  • 古くなった建物を解体することで、新たな不動産価値が創出

  • 解体が終わることで次の建設計画に移行でき、工事の流動性が生まれる

  • 駅前再開発・マンション建替え・大型商業施設建設など、都市の経済活性化を間接的に後押し

つまり、解体が行われなければ、土地が回転しない=経済が動かないということにもつながります。


2. 雇用と地域経済の下支え

解体工事には多くの労働力が必要です。重機オペレーター、手作業の職人、現場監督、廃棄物運搬業者、営業・管理スタッフなど、幅広い職種を抱える産業です。

  • 地場業者による施工が中心のため、地域内でお金が循環

  • 若手や高齢者、未経験者も比較的就業しやすい環境が整っており、地域雇用の受け皿としても有効

  • 小規模案件の積み重ねによって、不況期でも一定の業務需要を確保できる

とりわけ空き家対策や老朽施設の除却が進む中で、解体業者の役割は地方経済の「安定化装置」としても期待されています。


3. 資源循環・リサイクル産業との連携

解体工事では、ただ壊すだけではなく、発生する廃材の多くを分別・再資源化しています。これが、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を支える仕組みの一翼を担っています。

  • コンクリート→再生砕石、アスファルト→再生合材、木材→バイオマス燃料などへ再利用

  • 鉄くず・銅線などの金属はリサイクル業者へ販売、新たな原料市場を形成

  • 廃棄物処理業者や再生材メーカーなど、関連業界への経済波及効果が大きい

このように解体工事は、建設業とリサイクル産業を橋渡しする経済ハブとしても機能しているのです。


4. 空き家対策・防災の観点から地域価値を保つ

老朽化した建物を放置することは、防災上も景観上も大きな問題です。解体工事を通じて空き家を撤去することは、地域の資産価値や安全性の維持につながり、経済的損失を未然に防ぐ役割を果たします。

  • 放置された空き家を解体することで、近隣不動産の資産価値の低下を抑制

  • 防災・防犯面のリスクを軽減し、地域への投資や移住の障壁を下げる

  • 空き地の利活用(駐車場、貸し農園、仮設店舗など)により、新たな地域経済が生まれる

特に自治体主導の空き家除却事業では、解体業者が地域政策の一環として機能し、補助金制度などを通じて経済と行政が連動しています。


5. 都市再生・インフラ更新を支える循環の一部として

都市部では、定期的なインフラ更新・老朽建築の建替えが進められています。ここでも解体工事は不可欠な存在です。

  • 解体によって再開発用地が整備され、再投資が促進される

  • 老朽化した施設の解体→更新→利便性向上→集客増加→経済効果という好循環

  • 公共工事(学校、病院、庁舎など)の予算執行による地域の経済刺激

これらのプロセスにおいて、解体工事は建設産業全体の循環を回し続ける“歯車”の一つであると言えるでしょう。


解体工事は“終わり”ではなく、“始まり”をつくる経済活動

解体工事の現場は、「壊す」という行為の裏で、

  • 土地の再活用による価値の再創出

  • 雇用と地場経済の安定供給

  • 廃棄物の資源化による循環型社会の促進

  • インフラ整備と都市再生による経済流動性の向上

といった多層的な経済的貢献を果たしています。
つまり解体は、「終わらせる」ための仕事ではなく、“動き出すための経済の起点”なのです。

今後も人口減少・空き家問題・都市老朽化が進む中で、解体工事の経済的役割はさらに大きな意味を持つことになるでしょう。

 

 

 

富商のよもやま話~3~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

 

建物を解体する。その行為はかつて、建設の前段階にある「壊す」工程として単純に捉えられていました。しかし近年、解体工事は大きく様変わりし、建築、環境、再生、法制度、そして地域社会との接点を持つ多機能な分野へと多様化しています。

この記事では、「解体=壊す」から、「解体=価値をつなぐ」へと変化してきたその現場の実情と、解体工事の多様化が社会にもたらす意義を掘り下げてご紹介します。


1. 解体対象の多様化~建物だけではない「壊すもの」

以前は木造住宅やRC造のビルといった「建物」のみが主な対象でしたが、現代の解体工事はより広範囲に対象が拡大しています。

  • 住宅、アパート、オフィスビル

  • 工場、倉庫、商業施設

  • 橋梁・鉄塔・煙突・立体駐車場などの構造物

  • 内装だけを解体するスケルトン工事(店舗・テナント退去時)

  • 設備機器・配管・太陽光パネルなどの撤去

特に都市再開発や施設の機能更新に伴い、「部分解体」や「設備解体」といったより精密で限定的な施工が求められるケースが増えており、多様な構造物への対応力が解体業者の競争力となっています。


2. 解体手法の多様化~安全・環境・周辺配慮へ進化

かつては重機で一気に取り壊すスタイルが主流でしたが、現代では立地環境や構造、使用材料に応じて多様な工法やアプローチが選ばれています。

  • 手壊し工法:密集地や文化財建築などで使用。騒音・振動を最小限に抑える。

  • 重機併用工法:大型機械で効率的に解体。高層ビルでは遠隔操作式重機も。

  • 高所解体・上家解体:足場・囲いを使った屋上からの逆積み下ろし工法。

  • 内装解体(スケルトン解体):建物を残して内装だけを分解・撤去。

  • 切断・分離解体:橋梁や構造体の一部のみ撤去する技術。精密性が求められる。

こうした工法の選択肢が広がることで、安全性、周囲への配慮、再利用前提の解体が可能となり、より社会的要請に応えられるようになっています。


3. 解体後の“再資源化”を見据えた分別技術の進化

現代の解体工事では、「壊す」こと以上に**“どう残すか”“どう再利用するか”**が重視されます。建設リサイクル法やSDGsの観点からも、廃材の分別と再資源化は重要なテーマです。

  • コンクリート・鉄筋・木材・ガラス・石膏ボードなどの素材別分別

  • 再生可能な資材の選別回収とリサイクル工場への搬出

  • アスベスト・PCB・鉛などの有害物質の慎重な除去処理

  • ICTによる資材管理・搬出フローのデジタル化

これにより、解体業者は“廃棄のプロ”から“再生の技術者”へと役割を広げており、循環型社会の実現に大きく寄与しています。


4. 法規制と社会ニーズへの対応力が求められる時代に

解体工事は近年、法規制や社会の目が厳しくなっている分野でもあります。

  • 建設リサイクル法、石綿障害予防規則、騒音・振動規制法など多様な法令への対応

  • マニフェスト制度による廃棄物の適正処理管理

  • 地域住民や近隣事業者への説明・苦情対応、工程公開の義務化

  • 公共工事では環境評価書やCSR(企業の社会的責任)提出が必要なケースも

これにより、解体業者には高度な法知識とコミュニケーション能力、環境配慮の姿勢が不可欠となり、業界内でも“選ばれる企業”とそうでない企業との差が拡大しています。


5. 解体工事×新分野との融合

解体工事の現場では、他分野との連携による多様な展開が見られるようになってきました。

  • ドローン・3Dスキャンによる構造物調査・図面化 → 解体計画へ活用

  • 建築設計者や不動産業者と連携した「再建築前提の解体提案」

  • 空き家解体と地域再開発の連動(駐車場、シェアスペース、農園整備など)

  • 地域住民との協働解体(空き家利活用の一環として自治体と連携)

こうした取り組みは、単なる請負業務から一歩進んで、街の未来をつくる“社会的サービス”としての解体工事の在り方を示しています。


解体工事は“価値を終わらせる”のではなく、“価値を未来へつなぐ”仕事

かつては建設の裏方として扱われていた解体工事。
しかし今やその役割は、環境・技術・法制度・地域社会・再生可能資源・都市の将来像と密接に結びついた重要な社会機能へと進化しています。

  • 壊すだけでなく、再利用するための分別力

  • 音・粉塵・廃棄物など環境への配慮

  • 再開発や地域活性化と連動する“まちづくり”の一端

  • 建設サイクルの始まりと終わりをつなぐ橋渡し役

解体工事の多様化は、社会と経済、そして地球環境に新しい選択肢と価値をもたらし続けています。

 

 

 

富商のよもやま話~2~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~法律~

ということで、アスベスト除去工事に関わる主な法律・制度・義務・罰則などを包括的に解説していきます。

 

「健康被害ゼロ」を目指すための法的フレームワーク

かつて「奇跡の鉱物」と呼ばれ、建材として多く使われていたアスベスト(石綿)
その後、深刻な健康被害が明らかになり、日本では段階的に使用が禁止され、現在は除去・管理の対象となっています。

しかし、アスベストを含む建物は今なお全国に多数存在し、除去工事にあたっては法令遵守が絶対条件となっています。


✅ アスベストとは?なぜ規制されているのか

アスベストは天然の繊維状鉱物で、耐熱性・耐摩耗性・絶縁性が高いため、建材や工業製品に幅広く使われてきました。

しかし…

  • 長期間吸い込むことで、肺がん・中皮腫・石綿肺などの重篤な疾患を引き起こす

  • 症状が出るまで20~40年という長い潜伏期間がある

このため、2006年には全面的に製造・使用・輸入が禁止されました。


✅ アスベスト除去工事に関わる主な法律

アスベストに関する規制は複数の法令にまたがっており、主に以下の3本柱があります。

① 【労働安全衛生法】(厚生労働省管轄)

労働者の健康を守ることを目的とした法で、除去工事を行う事業者が最も関係する法律です。

主な義務内容

  • アスベスト含有建材を扱う作業の事前調査義務(書面+現地調査)

  • 作業計画の届出義務(作業開始14日前までに所轄労働基準監督署へ)

  • 隔離・負圧措置・湿潤化などの作業環境管理

  • 作業員への特別教育・防護具の着用

  • 作業後の飛散防止措置と周辺環境の清掃

② 【大気汚染防止法】(環境省管轄)

住民や周辺環境へのアスベスト飛散を防止することを目的としています。

主な義務内容

  • 特定建築材料(吹付け材など)の事前届出義務(都道府県へ)

  • 工事前の掲示・説明義務(近隣住民への情報提供)

  • 飛散防止対策・作業管理・完了報告書の提出

  • 飛散が確認された場合の緊急通報・指導命令の対象に

📌 令和3年(2021年)の改正により、建物の解体・改修すべてで事前調査結果の報告が義務化されました。

③ 【建築物石綿含有建材調査者講習規程】

2023年10月より、事前調査は「有資格者」の実施が義務となりました。

  • 対象:延べ面積80㎡以上の解体・改修工事

  • 対象者:建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者などの資格保持者

  • 書面調査と現地確認の両方を必ず実施し、報告を電子システムで登録


✅ その他の関連法規

法律名 内容
建築基準法 アスベスト含有建材の新設禁止
廃棄物処理法 除去したアスベストを特別管理産業廃棄物として適正に処理
労働安全衛生規則・石綿則 作業基準・健康診断・ばく露防止策などを細かく規定
化学物質排出把握管理促進法(PRTR) 一部の事業では、石綿排出の報告義務あり

✅ 違反した場合の罰則

アスベスト除去に関する法律違反には、罰則規定も厳しく設定されています。

違反内容 罰則例
無届施工 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(安衛法)
不適切な作業(飛散防止策未実施など) 作業停止命令、行政指導、悪質な場合は刑事告発
有資格者による事前調査を怠った 行政処分、報告義務違反による指導

📌 発注者(建物所有者)も管理責任を問われるため、業者任せでは済まされません。


✅ 法改正とアスベスト規制強化の流れ(近年)

年度 内容
2006年 アスベストの使用・製造・輸入を原則禁止
2014年 大気汚染防止法に基づくアスベスト対策を強化
2021年 全ての解体・改修工事に「事前調査結果の報告義務」追加
2023年 アスベスト事前調査の有資格者制度が施行(2023年10月〜)

このように、規制は年々強化されており、2025年以降はさらに厳格な管理体制が求められる可能性もあります。


✅ 法令遵守のために必要な体制と対応

企業・業者側

  • 有資格者の育成(調査者・主任者・技能講習受講者)

  • 安全衛生管理体制の整備とマニュアル作成

  • 作業記録・写真・測定値などの証拠保全体制の構築

建物所有者・発注者側

  • アスベスト含有建材の保有建物リスト化

  • 解体・改修工事前に調査と届出が必要なことを理解しておく

  • 信頼できる認定業者の選定と契約前のチェック


✅ 「知らなかった」では済まされない時代に

アスベスト除去工事は、建物や作業者だけでなく、周辺住民や未来の健康にも影響を与える重要な工事です。

法令は、

  • 労働者の命を守るため

  • 地域の安全を守るため

  • 再発を防ぐため

に、年々厳格化されています。

法を正しく理解し、適切な施工体制を整えることが、社会的責任と信頼を守る第一歩となるのです。

 

 

 

富商のよもやま話~1~

皆さんこんにちは!

株式会社富商、更新担当の中西です。

 

 

さて

今回は、騒音

ということで、解体工事現場での実践的な騒音対策とその特徴を詳しく解説します。

 

解体工事は、住宅地や都市部などの生活空間と隣接して行われるケースが多く、騒音問題は最も多く寄せられる苦情のひとつです。法的な規制だけでなく、住民感情や作業効率の観点からも、騒音対策は極めて重要なテーマです。


騒音の主な発生源

解体工事における騒音の多くは、以下の作業から発生します:

  • 重機による構造物の破砕

  • ハツリ作業や鉄骨切断

  • 運搬用トラックのエンジン音や積載音

  • コンクリート・アスファルトの破砕

これらは100dBを超えることもあり、騒音規制法や地方自治体の条例に基づいた管理が必要です。


騒音対策の具体例

1. 防音パネル・防音シートの設置

  • 騒音発生源を囲うように設置

  • 防音性の高い「吸音材」入りのシートを使用

  • 高さ2m以上で、すき間をなくすことがポイント

2. 低騒音型機械の使用

  • 破砕機・カッターなどを「低騒音仕様」に変更

  • 「国交省認定の低騒音機種」を選定することで信頼性向上

3. 施工時間帯の配慮

  • 通勤・通学時間帯や早朝・深夜を避けた作業時間設定

  • 「午前8時〜午後6時」の範囲内が一般的

4. 散水・防塵と併用

  • 騒音だけでなく粉じんもセットで抑える

  • 散水で作業中の振動音も多少軽減可能


近隣住民への配慮と対応

1. 事前の説明・あいさつ

  • 工事開始前に「概要説明書」と「粗品(耳栓など)」の配布

  • 作業内容・期間・作業時間帯を丁寧に伝える

2. クレーム窓口の明確化

  • 現場責任者の連絡先掲示

  • 苦情には24時間以内の対応を基本とする

3. 作業中のマナー教育

  • 作業員への「声出し・工具音」の指導

  • 朝礼などで周辺住民の意識づけを共有


騒音トラブルを防ぐ管理体制

  • デシベル計測器での騒音監視

  • 日報・巡回記録での証跡管理

  • 自治体への作業届出と報告書作成

これらを適切に行うことで、万が一のクレーム対応にも信頼性のある対応が可能になります。


解体工事における騒音対策は、「法令遵守」だけでなく「信頼維持」と「安全な作業環境づくり」にも直結します。防音資材の活用、施工方法の工夫、そして何より「周囲への思いやり」が、スムーズでトラブルの少ない現場運営につながります。

ブログ更新をはじめました。

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今後ともよろしくお願いいたします。